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函館ケントス

扇型の夜景とともに

 1987年12月7日、函館空港の外は、吐く息が白かったです。私は、この日の夜、函館空港の方へ、学習会で話すことになっていました。

 その前に、時間調整のため、空港近くにある湯の川温泉のホテルで荷を解き、露天風呂で体を温め、今夜話すための諸準備をしました。

 その後函館は、始めてでしたので、路面電車で市内散策に行きました。通りに面した商店街の軒先のスピーカーから聞きなれたオールディーズの曲が何回となく、聞こえてきました。

 「何だろう?」と思いながら聞いていると、それはラジオから出ている音で、「函館ケントス」の宣伝でした。昼間からこのような曲を聴きますと、夜のステージを想像し、期待が高まっていました。


 夜の話もその後の湯気ホカホカの鍋交流会も無事に済み、音楽好き者同士で、函館ケントスに繰り出すことになりました。

 店がオープンしてまだ日が浅いためか、店内はいずれもが真新しい感じがしました。内装はどこの店も同じですが、広さは見慣れた「梅田ケントス」よりも二回りほど小さかったです。

 ハウスバンドの名前は、チラシを見ると「ベルベッツ」でした。ケントスのバンドは元々どこも若い人ばかりですが、このメンバーはこの店のオープンに合わせて誕生したのか、さらに若く見えました。

 先客は、まばらで、私達5人が団体さんみたいでした。乗りやすい曲ばかりなのに途中まで誰も踊る人がいないので、ステージを盛り上げるためにも、「ここは一番、旅の恥はかきすて」ばかりに大阪から来た私が先頭切って、フロアに立つと皆さんもぞくぞくと続かれました。


 ステージの合間などにバンドや店員さんに挨拶程度の話をすると、そのいずれもが、人柄のいい方ばかりで、なんかほっとしました。その後、もう1回行きましたが、このことは同じでした。

 函館は、函館山から見る夜景が名物になっていますが、何回見てもいいものです。あの扇型のクリスマスツリーを横倒しにしたような輝きと、水平線に揺らめく漁火(いさりび)は、忘れ得ぬものです。 (記:2001年10月31日)

函館ケントスのデータ(閉店のため、1987年12月当時のもの)
バンド名 ベルベッツ
所在地 函館市
電話番号 (省略)
函館ケントスへのリンク なし
特記事項、その他 オープンは、1987年8月
閉店は、1991年。
 
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