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2)七色の木目と木肌
 私は、ログの組み立てと外部塗装が終了した時点から、内部の丸太約300本に自動サンダー(紙ヤスリ)がけを行ない、米ヌカ油の袋で磨くことになりました。15段に組まれている丸太一本に一本にサンダーをかけることも、なかなか時間も体力も要しました。

 さらに、それ以上に米ヌカ油の袋で磨く作業は、1日中しているとフラフラになるほどの重労働でした。 しかし、丸太一本一本を磨くことにより、別の面で丸太の側面を見ることができました。まず、感じたのは、全部似たようにも見えていた丸太が当然のごとく、一本づつ特徴があることでした。

 まず、木目や木肌の色が黒っぽい、青っぽい、黄色っぽい、ピンクっぽい、赤っぽいなど、まるで七色でした。ダイニングの部屋にこの七色丸太が集中していたため、多くの見学者の方に指を差しながら説明する「あっ、そうですね。色が違いますね」などと言われました。

 その中でも、棟梁の里さんにも同じことを言うと、「上野さんみたいに本当に木が好きな人なら、建てた甲斐がありますよ」と言われました。ただし、築後約2年間を経る中で、太陽光線の関係からか、青っぽい色の丸太は、変色が進みました。 棟梁さんからは、さらに、棟木や母屋木の節の列を見て、「あの節の多い面は、南向き」「あの木は、あの位置がいい」と教えられました。

 棟木や母屋木になると、同じ長さで同じ口径27センチの丸太でも、強度保持などから、使う位置が違うことを知りました。

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