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25)水屋  日本、長崎県飯森町、後田建具店

虫が嫌うヒバ材

 1997年12月、ログハウス内装も終わりかけの頃、特注してあった障子、戸板のような和室の引き戸と洋室のドア、大工さん手作りの下駄箱に使う重ね合わせの扉の搬入がありました。作って頂いたのは、長崎県飯盛町の後田建具店です。

 お話しを聞くと、引き戸の端などには、青森県産のヒバ材が使用されていることを知りました。後田さんや内装途中の大工さんから聞いた話によると、ヒバには、次の特徴があると言うことでした。

1、シロアリなど虫が嫌う木材であること。
2、水に強く、腐りにくい。
3、カビも寄せ付けない。
などです。そのような特徴から、青森県では、家の土台や根太にヒバ材が多く使われているとの話しでした。

 ならば、ヒバ材の食器棚にすればゴキブリなど気にしないで済むのではと言う単純な発想から、水屋の注文をしました。丸太壁から冷蔵庫までの水屋を置ける長さは、約190センチ、冷蔵庫の高さは、約180センチでしたので、これに合わせた図面を引くことにしました。簡単な図面をCAD(設計図ソフト)で、自ら書いてみました。

 結局、幅190センチ、高さ190センチ、奥行き50センチの水屋が、1998年2月に完成し、製作費用は、26万円でした。上のガラス戸付きの食器棚、戸板のような2枚引き戸と言う単純な作りですが、ヒバ材がふんだんに使用されているものです。

 搬入の時、一緒に私も手伝いましたが、驚いたことがありました。それは、当然製作場で細部まで組立てられて水屋は、搬入されたものと思っていましたが、最後のさいごまでカンナなどで調整されたからです。職人の熱心さ、責任感を感じました。

 この水屋に顔を突っ込むとヒバ独特の香りがします。完成後、もう3年以上(2001年7月現在)たつのに、今だにこの香りが残っています。これが、虫の嫌うにおいだなあと思っています。(記:2001年7月3日)

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