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チェック・ポイント3、 新建材は体に危ない

 結論から言いますと、接着材を使った新建材の家は病気になりやすいと言うことです。流行の新建材には劇薬(ホルムアルディヒド=ホルマリンなど)に近い接着剤が使用されています。たとえば、合板の床や押入、クロス張りの壁、各タンスや食器棚、流し台などは必ず接着材が使われております。

 これが新居に入った、あるいは押入をのぞいた途端に目がチカチカする、頭がクラクラする原因なのです。さらに住み続ければ、女性なら肌が荒れ、かさつく、子供ならアトピー、気管支喘息などの病気になりやすいことが明らかになっています。これは接着材が空気中に気化し、人間の体内に入るからです。特に、夏・冬に窓を締め切って、エアコンや石油ストーブをガンガン効かせたら、さらに悪化します。

 しかも、中には新居仕立ての頃、良く奥さん同士の自慢話しでされる「百万円した」とか「二百万円もした」とのシステムキッチン、これが、また、危ないのです。なぜかと言いますと、これも見てくれはいいのですが、接着剤で固めた合板のかたまりなのです。とりわけ、食材や食器に近く、さらには毎日使う所ですから。要注意です。

 次に、押入です。大抵どこも合板で四方を囲っています。これなら、毎日ホルムアルディドをたっぷり吸った布団を家族全員で被って寝ているようなものです。これが体にいい訳ありません。 

 これら問題のある接着材は欧米では使用禁止とか最低使用基準があるのに、いまだ日本は指針のみ 年 月にやっとできましたが、使用制限基準はないのです。さすがに、新聞では一部問題として取り上げているですが、マスコミ全体では大問題にしていません。なぜか、これで大儲けしているメーカーがいるからです。

 まさか、「○○ホーム、△△マンションは体に悪く病気になりやすい住宅です」と正面切ってマスコミが言えるでしょうか。本当のことを報道したら、広告収入に響くからです。エイズやO157問題とレベルが違うとマスコミは言うかもしれませんが、でも、ことは国民の健康問題です。知らずに新建材で家を建てた人、マンションを買った人、あるいはその家族から、今でも次々とアトピー、喘息、皮膚炎などにかかっているのではないでしょうか。私は今直ぐマスコミも、繰り返して大きく取り上げて、国民・消費者に警戒をうながすべき事項だと思います。また、行政、メーカーに対して改善を求める問題だと考えます。このような住む家から発生している病気のことを「住原病」とか「シックハウス病」と言われています。

 これら住宅の接着剤の問題は福岡大学の須貝教授やその他の方々が問題にされ、私も新聞切り抜きを読んでいます。( 年 月 日にはこの教授の講演も聞きに行きました)なぜ、昔あまり日本で聞かなかったアトピーなどの皮膚炎や気管支喘息が多くなったのか、やっと自分自身、答えが出たような気がします。また、住む人だけでなく、あの新建材は大工さんの加工時に舞い上がる白い粉末など、施工する人の体にも良くないと思われます。

 このような新建材が体に悪いことを特集した本、恐い「住原病」対策マニュアル(ネスコ発行、文藝春秋発売)も 年に出版されています。詳細を知りたい方はこの本のご一読を私はお薦めします。

 「住原病」対策はそうむずかしくはありません。天然素材百%=木、紙、土、石、鉄などで建てることです。すなわち、木は柱や梁は当然のこととして、それに合板でなく無垢の平板などのことです。節くれだらけで見栄えは良くなくても、無垢板材を用いて施工されたらいかがでしょうか。合板は使用されない方がいいです。紙は障子やふすまなどを指しています。土は瓦や漆喰壁のことです。石は礎石、基礎、鉄平石さらにセメントも含めています。鉄は釘や金具のことです。早い話し、このような家は昔どこにでもあった普通の家のことです。

 また、この天然素材百%はリサイクルもできて、地球環境にも優しいのです。新建材はリサイクルもやりにくいし、体に悪いばかりではなく、万が一にも火事に遭遇した場合、火より先に有毒ガスでやられる可能性も大と言われています。 

 さらに、ヒドイ話しをある大工さんに聞きました。それは「新建材で建てさせた住宅メーカーは築後 年前後にはもう立て替えませんかと、新築当時の同じ家主に言って来る。そのリストもあるそうだ。全く、馬鹿にしているよ」と。また、同じ大工さんが言うには「その点、普通の木造住宅は雨水で腐った所とか、痛んだ場所を手直しするだけで何十年も持つ。昔の家は築後 年、 年はざらだった」と。

 また、別の大工さんが言うには「新建材の家は建てた時がピークで、あとは落ちるばかりだ。木造住宅やログハウスは手入れは毎年色々しなければいけないけど、年月とともに風合い、風格が出てくる。そこが全然違う」と言われていました。 

 徐々に、体に有毒な新建材はいずれ改善の方向に向かわざる得ないと思いますし、もうチラシなどを見ると「ノン・ホルムアルディヒド、ノン・クロス張りの家」とかの表現も出てきています。しかし、在庫の問題や類似性の代替え品の問題は直ぐに解決するとは思いません。

 何千万円も出して、知らなかったとはいえ、体に悪い材料で建てたばかりに、子供さん始めご家族がアトピーなどのシックハウス病(住源病)になっては取り返しのつかないことです。

 繰り返しになりますが、私は極力、天然素材百%(木、紙、土、石、鉄など)で建てられることをお薦めします。(大変蛇足ですが、衣類や食物も自然素材百%が、体にはいいと思います)

 フランスの哲学者ルソーの有名な言葉「自然に帰れ」はそのまま「家作りも自然に帰れ」と応用できるのだろうと思います。

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