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聞いた言葉・第80回目、なくて七癖

 
なくて七癖

 人は、本人が知っているか、あるいは知らないままかは別としても最低でも「七つくらいの癖がある」と昔の方は言っておられます。この言葉について、私は「そうかな?」と思いつつ、大阪時代に元同僚たちが居酒屋か何かの宴会の余興で、けっこう「上野のマネ」として何回も笑い者のネタにされ、その度に一緒に大爆笑していました。”なくて七癖”どころか、10も20も笑われるような癖があったのでしょう。

 このような人の癖は、私のような庶民だけかと言えばそうではなく、たとえば社会的に高い地位の方、あるいは各方面で国民を指導するような立場にある方々などでも大なり小なり、その種のことが話題になったりもします。

 また、テレビでは有名人の形態模写などをして拍手喝采を受けて立派な職業として活躍されている方もおられ、その方の日頃の洞察力や演技力に感心する時もあります。

 あと、会社間の営業などの場合でも、良く知っている相手方が、しばらく話していて、・・・・・・癖を出されたら「この商品に関心あるな」とか、逆に「要らない」と言うサインだなあと思う場合があります。

 また、このような人の癖は、映画やテレビドラマなどでも度々登場してきます。例えば映画007シリーズ第21作目(2006年公開)『007 カジノ・ロワイヤル』でも、ポーカーをしているシーンで、癖(表情)が話題になります。私は、このポーカーの場面は映画全体の流れの中で、けっこう時間的にも長く重要なところかなあと思っていますが。

 相手が、ある顔の表情をした時は、「ブラフ(ハッタリ)なので勝負時だ」などの会話が交わされています。結果は”癖の読み違い”をして一時大損するのですが、カジノもポーカーもやったことのない私は、この場面を見た時「あー、こうやって考える場合もあるのか」と思ったものです。

 人の癖を例に挙げればキリがありませんが、歴史上の出来事あるいは国家間の重要問題の交渉ごとでも、最終局面では意外と、こんな相手側の”癖”みたいなところから判断して、まとめたり、決裂した場合もあったのだろうかとも想像します。

 極めて本人しだいですが、”なくて七癖”は、なおせるものなら直したいと思うのか、生まれ付きは直しようがないと諦めるのか、いずれにしても一つ治っても昔の方の言葉通りなら、まだまだ多くあるのかもしれません。

(記:2007年8月18日)

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