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肩つかまれた

 13時45分、ウシー駅を出発し、小林夫妻が車内で次のモントルー行きの時刻表を見て下さった。すると「接続時間が全然ない。間に合わないと次は1時間待つことになる。走ろう」と言うことになった。 14時00分に地下鉄ローザンヌ中央駅に到着到着した。右出口の階段を上がり、通りを横切り国鉄ローザンヌ駅へ走った。

 日本では一部の地方線を除けば考えられないが線路の間が木の板通路になっていて、そこをを横切った。最初の組はハアハア〜と息が荒いながらもながらもホームに行くことができた。しかし、安井さんら遅い組は駅員から「ダメ!」とばかり言われ、仕方なしに地下通路をくぐり、ホームに上がられた。

 これだけの努力をしたのに電車はまだ来なかった。その間今の出来事を互いに「いきなり肩つかまれて恐かった」等と弾む息使いで報告し合った。よ〜く見ると線路脇に大きな看板で仏、独、英語で「ここの線路を横切るな」と書いてあるではないか。

 しかも、交通標識のような「進入禁止」のマークまであった。「こんな字も読めない日本人かと思われているかな」「小学生でもあのマークの意味は分かる。それ以下だな」等と反省しきりであった。 しばらく、小林通訳を中心に3ヶ国後の読み方教室が始まった。息も整いだした頃、定刻の出発時間になってやっと電車は到着した。「急ぐことはなかったのかな〜」は結果論であった。

 これから荷物の積み替えをするようだからかなり遅れることになった。その間ホームや窓越しに母娘らしき人、姉妹等それぞれに別れを惜しんでいた。13時07分に 全然私達は関係ないが手を振る人の見送り受けながら電車はスルスルとローザンヌ駅を出発した。車内では今日お昼の目的地シヨン城についてガイドブックによる下準備が始まった。(1994年1月1日記す)

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