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フランスあれこれ、何でも情報

何でも情報その7、「ハーフタイムには働くさ!

 2002年ワールドカップサッカーも決勝トーナメント真最中となりました。これまでのリーグ戦最大の番狂わせは、なんて言っても前回チャンピオンフランスの敗退でしょう。、歴史的敗北とも言われていますが、留学中の姪からも、フランスの模様が入ってきました。

 (5月31日対セネガル戦まさかの敗北、6月6日対ウルグアイ戦引き分け後)
 フランス人はいらいらしていますね。でも、国民性かジダンがいないからとか、審判が南アメリカ人で ウルグアイよりだったとか、言い訳が多い気がします。日本に出発する前には、あれほど世界チャンピオンだと 自信満々でしたからね!

 欧州人は、サッカー三昧のようです。 「ハーフタイムには働くさ!」というテレビの映像を見ました。 仕事にならないとか言っています。

  (6月11日対デンマーク戦敗北、結果通算0勝2敗1引き分け)
 オルリー空港は、人だかりができているから何かなあと思ったら、フランス戦サッカーを見ていました。 タクシーの中も、もちろんラジオを運転手の人は聞いていましたが、 2点目を取られた時点でがっくりしていましたよ。 オフィスでも仕事を放り出してテレビを見ているおじさんたちが多かったです。

(2002年6月12日、ストラスブールにて)


何でも情報その6、「2002年フランス大統領選挙

 (2002年4月21日、フランスで大統領(第1回)選挙が行われました。下記は、留学中の姪が見たその選挙内容の概要です。なお、5月5日に決戦(第2回)投票が行われます)

 フランス大統領では1回目の投票でより多く票を獲得した上位2候補が二回目の決戦投票に進むことができるしくみです。

 17人の候補が乱立した1回目の投票について前評判ではシラク 、ジョスパンの一騎打ちと見られていました。どの新聞でも調査でもこんな感じでした。ところがふたを開けてみると上からシラク(RPR:共和国連合)、 ルペン(Front National:国民戦線という極右政党)、ジョスパン(PS:社会党)という結果でした。

 この3者、得票率ではわずかな 差ながら決戦投票に進むのはシラク、ルペンということになりました。この社会党惨敗の責任をとってジョスパン首相は決選投票後に政治から引退することを表明しています。

 フランス、欧州各国のマスコミではこの極右ルペンの躍進を「政治的 地震」と銘打って当惑を隠せないでいます。 というのもルペンが掲げる政策は「欧州連合からの脱退、フランス人優先政策」という国粋主義ともいえるものだからです。 移民を多く抱えるフランスでは身近な問題です。

 というわけで市民レベルでは、フランス各地で「アンチ・ルペン」のデモ が増大しています。 ここストラスブールでも高校生、大学生といった若年層を中心としたデモが毎日のように行われています。 デモに参加しない人もカフェ、大学、仕事場・・・と議論がとびかって います。大学では授業が「大統領選についてのディベート」に変更 されたりしました。

 しかし、よく欧州を見渡してみると極右政党の躍進はフランスに限る ことではないようです。イタリアのベリルスコーニ首相、オーストリア、 ポルトガルといったところで、右傾化はみうけられるからです。

 このルペンの躍進、ひいては欧州の右傾化にはそれなりの背景が あるようです。移民の増大による治安悪化、仕事が彼らに奪われるとい事実(いずれも真否は定かではないです。統計がないのです)を理由に、多くの票を獲得しています。

 実際、ルモンド紙によるとルペンに投票した多くが移民が多い地区や 治安が悪い地域の、とりわけ壮年労働者であったことがわかっています。 −投票の棄権率は28%強ということも重要なポイントでしょう。左派の惨敗はさまざまな候補が乱立して投票が分散したといえるかも しれません。

 デモが多いといいましたが、実はストラスブールを含むアルザス地方で、ルペンは最多の得票率を得ました。選挙は民主主義の一つですから、この結果もその帰結といえばそうかも しれません。決戦投票はシラクが80%獲得するという調査がでています。

 ともあれ、政治に対する関心を高校生を含む若年層にも、もたらしたという意味ではこの選挙は特筆に価するでしょう。

(2002年4月27日、ストラスブールにて)


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