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驚異のローマ建築、その1
 コロッセオ

コロッセオが建つかぎり
 ローマには86年2月と96年8月に訪れました。その都度、町中に悠然と建っている遺跡や建築物に目を白黒しました。

 その中でもコロッセオ(闘技場)は学生時代の教科書にも何回となく出ていて、名前位は知っていました。しかし、実際に見ると「2000前から、こげんでっかかとが立っとたとやろうか〜」と驚かざるを得ませんでした。何度か地震にもみまわれ、一部欠落したり、石の略奪にあったりしているので、全て当時のままではありません。

 でも、内外からながめていると、2000年の時をタイムスリップして、ある種、圧倒的な大きさで迫って来て、ワッア〜と歓声が沸き上がるような実感がします。このコロッセオはヴェスパシアヌス帝、ティトス帝が紀元82年頃に完成させました。

 コロッセオの概要は楕円形(188×156 )で、高さ48.5m 、中の舞台は86×54m 、その外周は527mもあります。使われた石材は10万立方メートルと言われ、石材を繋ぐ鉄だけで300トン以上必要と計算されています。観客席は古い文献で8万7千人との記載もありますが、実際は5万人位が通説になっています。

 外から見ると4層になっていて、下から3層まで順にドーリア式、イオニア式、コリント式のアーチ式になっています。最上階は壁になっており、装飾されたコリント式の角柱があります。

 アーチ式の階層は4層との壁との調和がとれ、連続、一周しており、リズム感があり、さらに建物全体に荘厳さを出しています。

 コロッセオの建築様式は先輩のエジプトやギリシャにもない、ローマ独特のもので、後世のヨーロッパはじめ世界の建築に大きな影響を与えたと言われています。早い話し、二千前からデザインも建築技術もイタリアは進んでいたのです。

 8世紀にベータ師が書いた詩に次のような有名な一説があります。

 コロッセオが立つかぎり、ローマは存するだろう

 コロッセオが崩れるとき、ローマは滅びるだろう

 そしてローマが滅びるとき、世界もまた滅亡するだろう

 現在でも、幸いにコロッセオは2千年の風雪にも耐え、今だに立っていますし、世界も滅んでいません。私は永遠にコロッセオも立ち、世界も平和であって欲しいと願うものです。

(掲載日:2000年11月20日)

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