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驚異のローマ建築、その2
 パンテオン

八百万(やおよろず)の神様 パンテオン

 私は96年8月、パンテオンを始めて見ました。紀元前27年にアグリッパが創建し、その後、火災で消失し、ハドリアヌス帝が118年に再建しました。パンテオンとは「全ての神々の」と言う意味で、ローマの主要な神々に捧げられました。日本でもローマでも八百万(やおよろず)の神様がいらっしゃるのでしょう。

 前回のコロッセオのように石の略奪などがなかったのは7世紀ころから教会なったためでした。建設後約1900年間そのままの状態であるのは古い建築物の多いローマでも唯一だと言われています。

 切妻屋根と列柱のある前室と、屋根が半球(高さ、直径とも43.3mの)本殿で構成されいます。前室の高さ12.5mの円柱16本、大きな三角破風、膨大な石材重量を分散させるためのアーチ、ドームを支えている基礎の壁の厚さ6m等など、何からなにまで巨大そのもので圧倒されます。「本当に昔の人が建てたとやろうか、それやったら大変な技術ばい」とつぶやかざるを得ません。

 中に入るとまず丸屋根とその頂点にある丸窓に目が行きます。明り取りはここしかなく、劇場のスポットライトのように太陽の動きに合わせゆっくり光がまわります。

 ここに入ると賑やかな人も、しばし、厳粛な気持ちになります。建物全体が荘厳で威厳に満ちているとしか表現のしようがありません。また、この内部には画家のラファエロやイタリア統一の初代王・ヴィットリオ・エマヌエーレ2世等の墓もあり、祭壇の前で祈りが続いていました。

 直ぐ前のロトンダ広場にはテラス席を拡げたカフェがあり、パンテオンを見ながら飲むエスプレッソはまた格別です。

(掲載日:2000年11月20日)

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