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聞いた言葉・第178回目、『人生は楽しむものだ』

 

人生は楽しむものだ

  今回の言葉を書く前に、二つの事柄を思い出しました。一つ目は、映画『最高の人生の見つけ方』(THE BUCKET LIST 2007年のアメリカ映画)です。(映画『最高の人生の見つけ方』の公式サイトは、ここからご覧ください) この映画を極簡単に紹介しますと、たまたま同じ病室になった大金持ちの実業家エドワード(ジャック・ニコルソン)と自動車整備工のカーター(モーガン・フリーマン)には いくつか共通点がありました。

 共に余命6か月、今まで仕事一本槍みたいな人生で自ら楽しむこと、やりたいこともせずに生きてことなどです。そのようなことから、ともに人生も残り少ないので、それまでに楽しもうじゃないかみたいな思い付きから、“やりたいことリスト”を作ります。そして、病院を抜け出して二人で今まで経験したことがないようなスカイダイビングや世界各地への旅行など、次々と実行していきます。 しかも、その様子が映画では、実に生き生きと滑稽さも含めて楽しく描かれています。

 二つ目は、かなり古いことで、しかも私の個人的な話しからです。私は、1986年2月に「ヨーロッパ3空港調査旅行」をしました。その時に各空港見学以外にも、フランス、イタリア、イギリスの方々と懇談会も持ちました。 その中でも、特にイタリア人の考えた方に「人生は楽しむものだ、そのために、仕事しているようなもんだ」と言う印象が強く残りました。

 私は、旅行時の見学や印象は、旅行後の現実に戻れば正確に思い出すことも、なかなか困難ですし、私のように物覚えの悪い者とって毎回その時その一瞬に終わる場合もあります。ただ、先の言葉は、 今まで聞いたこともなかったし、「なるほど、そんな考えや生き方もあるのだなあ」と考えさせられました。

 日本では、仕事以外に「楽しむ」、「休暇」、「趣味」などの言葉は、何世代か前まで極端な話として「嫌悪感」あるいは「罪悪感」を持たれた場合もあったでしょう。会社に有給休暇を申請するにも、自分や家族の病気、冠婚葬祭などの理由しか公然と言えないような雰囲気だったのではないでしょうか。

 ですから、ある年配者の冗談話として「俺は家族・親戚を何人も死なせてしまって(そのような口実をつくって)休みを申請した。しまいには親戚ゼロ(笑い)になってしまった」などと 聞いたこともありました。

 つまり、常に「仕事優先だ。趣味、親睦会や地域活動などは定年退職後にしかしない」とか、「楽しみなどは考えもつかない」みたいな感じだったのかもしれません。現在も昔の例ほど極端ではなくても、これと似たような状況があるのではないでしょうか。

 話しは一つ目に紹介した映画の方に戻りますが、主役の二人、ジャック・ニコルソン(1937年4月22日生まれ)とモーガン・フリーマン(1937年6月1日生まれ)は、映画公開時ともに70歳頃だと思われます。どちらも名優で、私が勝手に想像するに監督から特に指導されなくても、そのまま自らの地で演技されても映画になるくらい、仕事も人生も年輪を重ねられた方々でしょう。 また、このような何事においても経験豊富な方だからこそ、人生などをテーマにした映画のシーンに適役だったのかもしれません。

 私のように何事にも中途半端な、サボリ症では還暦越しても、先の俳優さんなどに比べれば(実年齢はさておき)まるで”青二才”みたいに見えてきて恥ずかしい限りです。世の中には、「人間座って半畳、寝て一畳」という言葉もあります。今までも、これからも名誉も財産も最初から無関係なものですが、先の言葉を逆手に取って、「それじゃ、心の豊かさだけは沢山持とうか」と言う空元気にも似た強がりだけは、私にもあると思います。

私の関係ホームページ
 地球の大きさに比べれば・・・
 永遠に生きるかのように学べ、明日死ぬかのように生きろ
 老いることは怖くないが、目的をなくすことが怖い
 人は、 どれだけ長く生きたかではなく、どう生きたかが大切だ
 人は生きるだけでも大事業
 人にも旬がある
 人間座って半畳、寝て一畳

 何十億年という地球や何十万年の人類の歴史に比べれば、人一人の一生(人生)は例え百歳まで生きたとしても、瞬きにしかなりません。その間に自分の趣味や好んで出来ることは、何事も計画的に効率的にされる方は例外でしょうが、やはり「ずっと長期間、多くできた」と言う方は、そう沢山はいらっしゃないのではないでしょうか。

  また、「楽しみたい」とか「遊びたい」みたいな事柄でも段々歳とって来ると、やる気力はあっても足腰や体力が追いつかなくなって諦める場合も多々あります。そのようなことを実感しはじめたたら、もう遅いような気もします。今回の言葉=人生は楽しむものだと、先の映画で紹介された“やりたいことリスト”は、実践するか、しないかは人それぞれですが、実は若い時期から考えていくべき事項のような気がします。


(記:2013年10月28日)

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