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カテドラルの尖塔
ストラスブール大聖堂その1、カメラアングルにおさまらない

 この旅行最初の観光(2004年6月17日)は、カテドラル(ストラスブール大聖堂CATHEDRALE DE STRASBOURG)でした。

 この大聖堂は、資料によると、1176年に建設着工し、1439年に完成と、実に建設期間300年近くを要しています。なんと、日本と時間規模の長さが違うのでしょうか。果たして、我国で300年近くかけて造った建設物が今まであるのでしょうか。

 外部はバラ色の砂岩できていて、独特の色をしています。正面玄関あたりの壁一面には、彫刻がそれこそ、びっしりと下から上まで所狭しと施されています。このことを「石のレース編み細工」と表現している資料もありますが、なるほど、言い得て妙だなあと思います。

正面のステンドグラス

 あと、パリ・ノートルダム寺院の両塔(北塔及び南塔)を見慣れている者にとって、なぜ、この教会は片方の塔だけ極端に高いのか、少し疑問が湧きました。

 後で、私なりに調べて見ましたが分からず、最初の基本設計からこの構想だったら、それはそれでいいのかなあと一人合点しました。

 私は、ホテルから出て直ぐの広場から、まずは高さ142メートルの尖塔を見上げました。いいカメラアングルで撮ろうとして、しばらく、ウロウロしてもうまい感じで教会全体がおさまらないのです。

 私は、これまでの旅行でローマの(132mのクーポラをもつ)サンピエトロ寺院を始めサンタマリア・マッジョーレ教会、パリのノートルダム寺院やサクレクール寺院など、けっこう背の高い大きい教会も写真に撮りました。

 でも、このストラスブール大聖堂は、違うのです。それでも何枚か撮りながらも時間の関係上、寺院内部に入って行きました。

寺院内部(奥が祭壇)
 中に入っても、その天井の高さはこれまた高く、左右にあるステンドグラスも全体幅も広く、仕方ないので縦位置アングルで分割しながら撮っていきました。

 あと、両サイドの壁全面近いステンドグラスを見て、どうやって屋根からの重さは支えてあるのだろうとの素人考えも持ちました。これだけ大きな建物ですから、巨大屋根から架かる重圧はそれ相当だろうと思いました。

 それが意外と思うほど、石壁や石の柱が細いものですから、これでもちゃんとガラス部分に圧力がかからない構造になっているのだろうなと思うばかりでした。

 建設着手した800年前には、コンピューターも電卓もないでしょうに、どうやって重力拡散の計算や設計図を描いていったのか、ただただ、当時の人の知恵に脱帽するばかりです。間違っても、「ご先祖様、シャルル・ド・ゴール空港、最新ターミナルビルの屋根が落ちました」と、報告できないでしょうね。

パイプオルガン
 後方を振り返ると、丸いステンドグラス(バラ窓)もあり、当然といえばとうぜんですが、全く外から見た雰囲気と違って華やかな感じでした。

 ここかしこに置いてある調度品、パイプオルガン、司教の説教台、からくり時計、ステンドグラスの絵、各柱の彫刻など、その一つひとつに色々な由緒や意味があるのではと、思いつつも確認するだけの資料も余裕もなくカメラで撮りまくったというだけでした。

 ホール中央の椅子に座っていると、姪から「奥の祭壇上の天井から光が見えるでしょう。あそこは天国に一番近いという言い伝えがあるところよ」と教えてもらいました。

 良く見ると、そこだけサーチライトのように自然光が差し込んでいて、さながら天上の光のようにも見えました。

 後方で教会の説明をするガイドの声、からくり時計の前に音が鳴るのを今は遅しと待っている見学者の動きなどを除けば、朝の寺院内部は静寂さと荘厳さを感じました。(掲載日:2004年7月2日) 


参考(ホームページ)資料
Cathedrale Notre Dame de Strasbourg


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