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パリの美術館オランジュリー美術館
名前  オランジュリー美術館
  (Musee de l'Orangerie)

開館年  1927年
場所  地下鉄コンコルド駅から数分
開館時間
などの情報
 変更もあるので下記を参照下さい。
リンク先  Musee de l'Orangerie

 私は、オランジュリー美術館には今まで1986年2月16日と1996年9月4日と2回行きました。ただし、初回は同行者の皆さんと恥ずかしながら、当時近くにあった印象派美術館と勘違いして入館したものでした。

 オランジュリー美術館はコンコルド広場近くにあるテュイルリー公園内にあります。オルセー美術館とはセーヌ川を挟んだ対岸側、ルーブル美術館とはカールゼルの凱旋門やテュイルリー公園を間に置いたような位置関係になります。

オランジュリー美術館の玄関
2008年1月3日撮影
(大村市在住のNさん提供)

 私が最初に行った1986年当時の資料を見ますと、このオランジュリー美術館の元々は、テュイルリー宮殿の温室で、美術館名の由来も栽培されていたオレンジからのようです。その後、モネの大作『睡蓮』(8枚の連作)を納めて展示するために、この美術館は開館された歴史があります。ここまで書いてお気づきと思いますが、「美術館を建てて絵を飾る」のではなく、絵が先にあって、それを展示するために美術館を開館したのです。

 日本には建築資金ばかり何十億、何百億かけて美術館建設しても、それに見合うだけの肝心の飾る絵があまりないような所もありますが、この話を現地で聞いた時、私は「フランス人は絵のためなら、なかなかやるなあ」と言う印象を持ちました。

 あと、1999年8月から館内改装のため約6年間かけて工事していましたが、2006年5月17日に再オープンしました。そのこともあるのか以前にもまして、この美術館は人気があるようです。私は残念ながら再オープン後は、まだ行ってませんので、これから書こうとしている内容は、それ以前の事柄であることを、あらかじめご了承願います。

 このオランジュリー美術館は、他のルーブル美術館、オルセー美術館、国立近代美術館(ポンピドーセンター)に比べたら、あまり大きくはないかもしれません。しかし、展示内容はモネを筆頭にルノワール、モディリアーニ、セザンヌ、マティス、ピカソ、ルノワール、ユトリロ、シスレーなど、美術の教科書にも出てくるような馴染みの画家の作品も多かったです。

ルノワール『ピアノに寄る少女たち』
 教科書でも見たような絵でも当然全て作品名も画家の名前も私のような素人には頭に入っている訳でもないので、せいぜい「あー、これはどこかで見た絵だなあ」と言う程度です。それでも、中にはルノワール(ピエール=オーギュスト・ルノワール、Pierre-Auguste Renoir)の絵は、けっこう日本でも本などで良く見たり、あるいはルノワールの絵が何十億円かで落札されたみたいな報道も、たまに聞きました。

 このルノワールの絵は、オルセー美術館にもありますが、オランジュリー美術館にもありました。その中でも今回ご紹介したいのが、『ピアノに寄る少女たち』(Jeunes filles au piano)です。たまたま、今年(2008年)1月パリなどに行かれた大村市内在住のNさんから、この絵のオルセー美術館所蔵の写真を送って頂きましたので、今回この絵について書くきっかけになりました。

ピアノに寄る少女たち
オランジュリー美術館所蔵
(オランジュリー美術館HPより)
ピアノに寄る少女たち
オルセー美術館所蔵
(大村市在住のNさん提供)

 この二種類の絵は、どちらともルノワールが1892年に描いたもののようです。写真でもお分かりの通り、2枚とも構図は似てはいますが、明らかに立っている少女の手の置いている格好や背景が違っています。また、私が見た目でオルセー美術館所蔵の方が全体やや明るい色彩・色調に仕上がっているようにみえます。

  あと、さらに私の全く勝手な想像ながら、どちらの絵とも明るい陽光を室内いっぱいに受け、裕福な家庭に育った柔らかい豊かな髪を束ねた娘さん二人がピアノに向って「あー、ここのところちょっと難しいなあ」、「そうね。もう一回弾いてみたら」みたいな話をしながら楽譜を見ている場面と思います。

 さらに脱線して想像たくましくすると、弾いている曲はシャンソンではなく、ショパンかモーツァルトのピアノ練習曲みたいなものかもしれません。この絵は、そんなことまで色々と思い浮かべたくなるような感じになります。

 実に心なごむような雰囲気があり、画家ルノワールが二人の少女たちを温かく愛情あふれる気持で描いていることが伝わってくる絵だなあと思いました。

モネの睡蓮(一部分)

モネ、『睡蓮』
  オランジュリー美術館を見学される目的のほぼ100%近くが、クロード・モネ(Claude Monet)の大作『睡蓮(すいれん)』<仏語案内板はLes Nympheas(正式には仏語のeの上に点があります)、英語案内ではWaterlilies>だと思います。私も2回とも当然皆さんと一緒に、その部屋に行きました。

  ここは壁一面に8枚(合計の長さが100メートル近くにもなる)の『睡蓮』連作が飾ってありました。しかも、『睡蓮』専用で大きな部屋を二つ使い、絵の形状からか、壁が湾曲していました。

 ここで、私が色々と下手な説明するより、現在のオランジュリー美術館(Musee de l'Orangerie)のサイトで、このモネの『睡蓮』の絵が良く見えるページがありますので、ご紹介します。ただし、下記の日本語はフランス語のできない私が便宜上、仮訳で書いたもので正式な訳ではありませんが、クリックして頂ければ確認できると思います。

 なお、画面指示通り「スペースキー」や「ENTERキー」を押したり、あるいはマウスのポインターをグルグルと下記のクリックしたページにある写真部分を回して見て下さらないでしょうか。そうすれば、まるでオランジュリー美術館に行ったような気分で絵をパノラマで8枚とも見れます。また、部屋の中を行ったり来たりして、床や天井までグルグルして見れます.

(ノーマル表示で)睡蓮の絵や部屋の様子が見れるページは、ここから、ご覧下さい。
(まるで自らも歩いて見ているかのように)睡蓮や室内が見れるページは、ここから、ご覧ください。

 (上記のサイトでも確認されたように)この二つの部屋は、モネの『睡蓮』の絵のみが、飾ってありましたので、私は床に座ったりしながら見ました。モネを評する時によく「光の画家」と呼ばれています。同じ睡蓮でも朝の光、真昼の光、夕方前の光などを捉えて描かれていると事前に聞いてはいたものの、絵心のない私には、その神髄が良く分かりませんでした。ただ、しばらく眺めていると、なんだかボンヤリとゆっくり池の中にいるような感じがしてきました。

 あと、モネの絵といえば、ここオランジュリー美術館所蔵ではありませんが印象派美術の語源とも言われている「印象、日の出」を始め「日傘をさす女」など有名作品も多いです。また、現在、所蔵している美術館は色々と違っているようですが、世界各地に「睡蓮」の名前は同じでも違った絵画も沢山あるようです。その様な中にあって、このオランジュリー美術館の『睡蓮』は、絵の内容はもちろんのこと、その大きさもや数からも圧巻だなあと思いました。

(上野注:第3次掲載原稿は、以上です。 第4次原稿に続きます。

(初回掲載日:2008年2月10日、第2次掲載日:2月13日、第3次掲載日:2月17日)
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