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聞いた言葉・第182回目、『間違いから学ぶことだ』

 

間違いから学ぶことだ

  今回の言葉は、映画『デイ・アフター・トゥモロー』(The Day After Tomorrow、2004年公開、アメリカ映画、監督ローランド・エメリッヒ)からです。私は、BD(ブルーレイディスク)で見ました。(本ページ掲載画像は、この映画のBDから) 念のために先に書いておきますが、この映画で出て来る氷河期に至る気象の激変、氷河に巻き込まれた地域にいた、ほぼ全ての人の凍死などのシーンは、あくまでも映画の話ですから現実に直ぐに起こりうることではないと思われます。

 ここで映画の極簡単な紹介と、今回の言葉が登場した場面を書きます。氷河の調査中だった気象学者のジャック・ホール(デニス・クエイド)などが、氷が裂ける現象に遭いますが、間一髪で難を逃れます。 この原因は、地球温暖化が進んでいたことの表れで、溶けた氷河は海流となり、逆に世界各地で異常に温度が下がる気象を引き起こしていくと予想されました。

 この異常気象に気付いたジャックは、国際会議で警告と対策を発しました。しかし、アメリカの副大統領は、「京都議定書のツケは? 世界経済が何十億ドルの損失にあえぐ。不安を招く発言は控えたまえ」などと言って全く無視します。地球上全体の気象は、さらに激変して、急に氷河期となります。そして、北半球では南部に避難できなかった人が、ほとんど凍死してしまいます。

 そして、ニューヨークの国立図書館で、避難中の学者の息子サム・ホール(ジェイク・ジレンホール)を助け出しにジャック達が向かいます。その時のテントの中で、今回の言葉は出てきます。研究仲間の同行者から、「我々、皆、文明、人類はどうなっていくのか?」を尋ねられます。その答えの中で「人類は前の氷河期も生き抜いた。今度も生きるだろう」、「あとは間違いから学ぶことだ(All depends on whether or not we're able to learn from our mistakes. )」と返事します。

 この映画『デイ・アフター・トゥモロー』は、2004年公開ですから、(2013年現在で)約10年前の映画です。その前からも含め何十年間と、世界各地で氷河の溶けていること、海面上昇によって陸地が失われていること、今までなかったような高温、冷温続き、大きな竜巻、さらにはゲリラ豪雨など様々な異常気象が報告・報道されています。

 この映画は、公開当初も大きな話題になり、観客数でも興行収入も大きな成果を挙げたようです。私は、改めてDVDやBDで見てみて、この映画が何故大きなヒットになったのか、少し分かったような気がしました。それは、この映画が単に「SF(science fiction=空想科学)の世界だけではない。もしかしたら現実でも似たようなことが起こりうるのではないか?」と、観客の方が思われたからではないでしょうか。

 まあ、そうは言っても冒頭にも書きました通り、映画みたいに明日、明後日から氷河期にならないでしょうが、何か現実起こっている気象関係や地球の変化などが、どうしてもダブって見えてくるのではないでしょうか。

 私は、聞いた言葉シリーズ第74回目、『地球温暖化と生活』ページにも、次の<>内のことを書いています。< 地球温暖化はどこかの山の氷河が溶けるとか、海面上昇により島自体や海岸線が失われるだけでなく、身近な海の問題として例えば今まで日本近海で獲れていた魚介類が北の方に移動してしてしまうか、さらに悪化すればいずれ今までのようには獲れなくなる要素も含んでいます。 (中略)

 この温暖化問題は非常に大きな地球規模のテーマでありながら原因がほぼ分かっていることでもあります。このことは簡単に短期間に解決しないと言うことは知りつつも考えようによっては、原因を元から正せば解決の道筋が見えてくると言う問題でもあります。 >

 つまり、現在行われている全ての経済や政治の問題が、間違いと私は思いません。しかし、世界各地での紛争、戦争は最も避けるべきではないでしょうか。戦争による人の犠牲を始め、莫大な資源も自然も機材も戦費も、どの損害も地球にとってマイナスはあっても、プラスには何一つならないでしょう。

私の関係ホームページ
 地球温暖化と生活
 人は地下資源を作れない
 3・11以降、日本人の意識の変化
 人類3大課題 環境、エネルギー、食糧
 自然エネルギー、再生可能エネルギー
 21世紀のテーマ、自然と家族
 築100年、200年は新しい建物
 我が亡きあとに洪水よ来たれ

 気が遠くなるような地球や人類の歴史からすれば、人の一生も無益な戦争の期間も瞬きしかなりません。しかし、その瞬きの期間に人、自然ひいては地球全体を痛み付ければ必ずや現在も後世へも、大きなツケが回っていくような気がします。

 私は、何かの講演会で「自然は未来の子どもたちからの預かり物で、けっして先祖からもらったものではない。だから、自然をそのままに、出来れば今以上に良くして後世の人に伝えていく役割が現代人にはある」みたいな話を聞いたことがあります。

  映画で語られている間違いから学ぶことだの意味は、当然様々あると考えられます。私は、そのような中でも、特に人による紛争や戦争などするよりも、数多くの困難さや苦労はあったとしても人類は叡智を出し合い、何らかの解決策を見出していかねばならないと言う、本来、人が持っている能力や役割を問うているようにも思えました。


(記:2013年12月4日)

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